Genes & Environment Vol.35 掲載論文日本語標題・要旨

2013年刊行 G&E Vol.35 掲載論文の日本語標題です。
2013年6月以降に投稿された論文には和文要旨も用意されています。
巻・号をクリックするとJ-STAGEに移動し論文を閲覧できます。

Vol.35 No.4

Review
動物細胞突然変異研究におけるシャトルベクター実験法の功績
八木孝司 (大阪府立大学)

Regular Article
鉄ポルフィリンと酸化剤による N-alkyl-N-(3-carboxypropyl)nitrosamines からの直接変異原の生成
稲見圭子 (東京理科大学)、安居洸貴 (東京理科大学)、津組裕考 (共立薬科大学)、石川さと子 (慶應義塾大学)、望月正隆 (東京理科大学)
 膀胱発がん性N-alkyl-N-(3-carboxypropyl)nitrosamineの活性化体によるDNAへの作用を明らかにするために、S9mixの代謝代替として鉄ポルフィリンと酸化剤を用いて、N-alkyl-N-(3-carboxypropyl)nitrosamine類 (alkyl = methyl, ethyl, propyl, butyl) の変異原性発現を検討した。その結果、いずれのアルキル側鎖をもつN-alkyl-N-(3-carboxypropyl)nitrosamine類もそれ自身では活性は発現しなかったが、酸化的に活性化されて変異原性を発現した。さらに、N-alkyl-N-(3-carboxypropyl)nitrosamine類の変異原活性は、構造中のアルキル側鎖に由来するDNAアルキル化によることを明らかにした。

Short Communication
DNAポリメラーゼラムダはアデニンと対合している8-ヒドロキシグアニンの変異誘発を促進する
紙谷浩之、黒川正大 (愛媛大学)

Short Communication
アスコルビン酸とチオール化合物はSaccharomyces cerevisiae のCu,Mn-スーパーオキシドジスムターゼ欠損変異体の自然突然変異原性を抑制する
柳樂康太、田村紗矢佳、河野真二、池田正五 (岡山理科大学)

Vol.35 No.3

Meeting Report
放射線のリスクを科学的に考えるー日本環境変異原学会公開シンポジウム2012
鈴木孝昌 (国立医薬品食品衛生研究所)

Commentary
気がつかない放射線への曝露
鈴木孝昌( 国立医薬品食品衛生研究所)
 我々が福島第一原発の事故による放射線のリスクを考える場合に、それをあたかも新車の雨跡(レインスポット)のように考えていないだろうか。我々はすでに60年代の世界的な核実験の影響により、今より千から一万倍高い放射性降下物にさらされており、かつ日常の食事からの放射性カリウムにも内部被ばくしている。すなわちすでに汚れている車の雨跡になっていると考えれば、リスクの受け止め方も変わるのではないか。

Commentary
チェルノブイリと比較しフクシマは低線量で健康リスクはない
高田純 (札幌医科大学)

Letter to the Editor
福島第一原子力発電所事故:避難区域への一時帰宅者に対する放射線スクリーニングに関するボランテア活動報告
須藤鎮世、江川孝、森宏樹、阿蘓寛明 (就実大学)
 2011年5〜9月、行政当局は警戒区域からの避難者が一時帰宅した際の汚染検査員を募集した。就実大学から4名のボランテアが参加し、2011年7月、2名ずつ各1週間弱の間、汚染検査に従事した。この間、計約4,000名が一時帰宅をした。重度の汚染はなかった。これを含め、2011年3月から12月までに、政府機関、大学、企業関連等の約3,700測定員により、警戒区域の住民78,000人のう34,000人(43%)が検査された。巡回および常設での緊急被曝スクリーニングは2011年3月をから実施され、2013年3月まで264,578人のうち10万cpm以上の汚染を示した者は102人で、皆、2011年3月における被曝であった。

Review
低線量および低線量率被ばくの発がんリスク
秋葉澄伯 (鹿児島大学大学院)

Regular Article
低線量放射線による酸化的DNA損傷8-0HdGの生成と閾値
李云善、宋明芬、葛西宏、河井一明 (産業医科大学)

Vol.35 No.2

Review
環境変異原およびがん原物質の臓器特異的短期検索法
降旗千恵 (国立医薬品食品衛生研究所)

Regular Article
DNA polymerase β阻害剤はコメット像の形成にどのように影響するか
小田島千尋、中村隆典、三浦将典、山崎香代子、本多義昭、菊池康昭、山本歩、佐々木有
(八戸工業高等専門学校、姫路獨協大学)

Short Communication
次世代DNAシークエンサーを用いたバイアスのない突然変異検出法
松田知成、高宗万希子、松田陽子、山田雅巳
(京都大学、国立医薬品食品衛生研究所)

Vol.35 No.1

Letter to the Editor
福島第一原子力発電所災害:茨城および福島における一部の放射能汚染地域の測定から得られた一般化しうる知見
須藤鎮世 (就実大学)

Regular Article
マウス発がんモデルにおけるフリーラジカルを介したDNAメチル化のマーカーとしての8-methyldeoxyadenosineと8-methyldeoxyguanosineの分析
葛西 宏、河井一明、宋 明芬、李 云善 (産業医科大学)
服部友美、松田知成 (京都大学)

Regular Article
Expression and activity of human DNA polymerase eta in Escherichia coli
Gruz Petr, Nohmi Takehiko (National Institute of Health Sciences)

Short Communication
システインのS-ニトロソ化とトリプトファンのN-ニトロソ化における8-oxo-dGuoの効果
鈴木利典、二宮佳子、犬飼道代 (就実大学)