平成28年度公開シンポジウム「Interaction between Genes and Environment --大規模ゲノム解析データから見えてくるもの−」

次世代シークエンサーを用いた大規模なゲノム解析の発展により、ヒト疾患に関わる様々な遺伝子情報が明らかになってきました。その多くは疾病についての新規の責任遺伝子の探索や、疾病に対する個人の感受性に関わる遺伝子多型の解析などですが、最近では、ゲノム全体に蓄積した変異の数やパターンに着目した研究(グローバルな変異解析)も増えてきています。それらを通じて、ヒト腫瘍組織には複数の特徴的な変異パターン(変異シグネチャー)が存在することが明らかとなってきました。また、これら変異シグネチャーは環境曝露を反映していることが示唆されており、発がん要因の探索への応用が期待されています。

本シンポジウムでは、このような大規模ゲノム解析により明らかになってきたグローバルな変異解析の現状について紹介するとともに、これらデータを応用した変異原研究の可能性について考えます。皆様のご参加をお待ちしております。

世話人 : 戸塚ゆ加里(国立がん研究センター)、山田雅巳(国立衛研)

開催日時: 2016年5月28日(土) 10:00~17:00

場所 : がん研究振興財団(http://www.fpcr.or.jp/contact.html) 

国際交流会館(国立がん研究センター内: http://www.ncc.go.jp/jp/access.html

東京都中央区築地5-1-1

交通アクセス:都営地下鉄 大江戸線 築地市場前駅下車(A3出口)、徒歩1分

東京メトロ 日比谷線/都営地下鉄 浅草線 東銀座駅下車(6番出口)、徒歩10分

東京メトロ 日比谷線 築地駅下車(2番出口)

参加費:無料(事前登録不要)

予定講演者と発表タイトル [ポスター]

【基調講演】

          座長 若林敬二会員(静岡県立大学)

中釜 斉会員(国立がん研究センター研究所 理事長)

「発がんモデル研究からヒトがんの要因を紐解く」

【一般講演】

          座長 能美健彦会員(国立衛研)

柴田龍弘先生(国立がん研究センター)

「変異シグネチャー解析が拓く新たな発がん研究」

土原一哉先生(国立がん研究センター)

「職業性胆管癌ゲノムに認められた体細胞変異の特徴」

          座長 山田雅巳会員(国立衛研)

増村健一会員(国立医薬品食品衛生研究所)

「ゲノム解析による経世代突然変異の検出」

松田知成会員(京都大学)

「1分子DNAシーケンサーを用いた新しい変異原性試験」

          座長 高村岳樹会員(神奈川工科大学)

椙村春彦先生(浜松医科大学)

「ヒト組織中のDNA付加体について」

戸塚ゆ加里会員(国立がん研究センター)

「質量分析機器を用いたDNA付加体の網羅的解析による食道癌発症要因の解明」

本間正充会員(国立医薬品食品衛生研究所)

「ゲノム上に起きたDNA損傷の運命をターゲットミュータジェネシスにより追跡する」