生活関連化合物の遺伝毒性データベース Database of Genotoxicity of Chemicals (Revised: January, 2012) |
医学博士 石館 基 (Motoi Ishidate,Jr., D. Med. Sci.) (Dec.25,1930) (日本環境変異原学会・日本がん学会・中央労働災害防止協会 名誉会員) |
我々の生活環境中には、多くの化学物質が使われています。それらの安全性については、国内外の行政機関による特定な試験法ガイドラインによって、慎重に審議、検討されているところです。 細胞の遺伝物質(DNA)に損傷を与え、その結果、突然変異(Mutation)を誘発するような物質を、一般に「変異原;Mutagen」と呼んでいます。がんを発生させるような物質(発がん性物質;Carcinogen) は、一部を除き、微生物やほ乳類細胞に対して変異原性(遺伝毒性)を示すことが知られています。 厚生労働省では、現在までに、労働安全衛生法に基づき、新規に届出のあった化学物質のうち、有害性の調査の結果、強度の変異原性が認められた合計629物質および既存の化学物質144物質については、労働者の健康障害を防止するため、事業者に対して必要な措置を講ずるよう指導されて来ました(2010年4月現在)。 本データベース(the MUTAGENS) は、天然物を含め、食品や食品添加物、医薬品や医療用品あるいはいは農薬などのほか、それらの材料として使用されて来た既存の工業用化学物質のうち、国内外で既に変異原性試験が行われた約1700種類のの化合物の試験結果を収録したものであります。 化合物はアルファベット順(一般名)に並べ、別名、主な用途、CAS番号、分子量、化学構造式を添付し、引用した文献の代表的なものを添付しました。試験法の違い(in vitro 法 あるは in vivo 法)に分け、結果を定性的並びに定量的に評価し、その結果の概略を表示しました。データ内容については、今後も可能な限り、訂正や補充を加えて行く予定です。なお、変異原性あるいは試験法に関する簡単な解説も加えました。 個々の化合物を検索する場合は、化合物のリスト(下記ノリストあるいはCAS番号)からデータベース項目へお進み下さい。表中では、省略記号を使用しています(略記号)。 本データベースが、新化合物の開発やそれらの安全性を評価する上で、少しでもお役に立てば幸せです。 |
Furylfuramide (AF-2), which had been used as a food
additive, was banned in 1974 in Japan, since it was strongly
positive in mutation assays with bacteria as well as in
chromosome aberration tests in cultured mammalian cells, and finally
proved to be carcinogenic in rodents. Since
that time, the mutagenicity (genotoxicity) tests have been adopted in toxicology
test guidelines for a variety of chemical substances to be registered
in Japan. |
本データ集に含まれる化合物のリスト (List of Compounds in this Data base)
Category I | 変異原性が殆ど認められなかった物質 | Not mutagenic | 965種類 |
Category II | 変異原性が疑われた物質 | Possibly mutagenic | 642種類 |
Category III | 変異原性が明らかに認められた物質 | Clearly mutagenic | 154種類 |
データの文献検索 (References of papers) |
国立医薬品食品衛生研究所・化学物質安全情報部(参考) http://www.nihs.go.jp/index-j.html |
データの提供 (Data of existing chemicals) |
(一財)化学物質評価研究機構・CERI・有害性評価リスト(参考)http://www.cerij.or.jp/evaluation_document/Chemical_hazard_data_02.html (独立行政法人)製品評価技術基盤機構 http://www.nite.go.jp/chem/index.html |
化合物の 化学構造式の挿入 (Chemical structures) |
大鵬薬品工業株式会社・創薬企画部(無償協力) |
データーベースの 作成法 (Technical advice) |
(一社)日本化学物質安全・情報センター(JETOC)(参考) http://www.jetoc.or.jp/safe/ |