Mutagenicity and Roles in Testing

変異原性試験の役割（Roles in the Testing)

1
医薬品、農薬、食品添加物、その他の生活関連物質の安全性に関する定性的ならびに定量的評価 Safety evaluation of chemicals such as drugs, pesticides and other industrial chemicals (new & existing substances).

2
生活環境中の発がん物質を予測する短期スクリーニング Rapid screening tool for detecting possible carcinogens in the environment.

3
発がん性物質の標的細胞に対する作用機序の究明 Studies on the mechanisms involved in the carcinogenic effects on the target organs.

4
化学物質の構造活性相関の解析 Studies on the relationship between chemical structures and their biological activities.

5
水や大気中の有害性物質の環境モニタリング Monitoring of the hazardous chemicals contaminated in the air and water.

6
遺伝病あるいは胎児発生異常の原因究明 Studies on the mechanisms involved in genetic diseases and teratogenic effects.

がん予防１２ヶ条　（12 Items for Cancer Prevention)

　　「がん」の発生は我々日常の生活習慣に大きく依存すると言われています。国立がんセンターで作成された
　　「がん予防１２か条」は今は常識となっていますが、その根拠には変異原性試験の結果がとりこまれています。

１バランスのとれた食事をする。
(Take well-balanced food.) 食品中には変異原性を示すものも含まれている一方、変異原性を打ち消す物質（抗変異原）も含まれている。特に、繊維食品や果物などを多く摂取する必要がある。

２同じ食品を繰り返して食べない。
(Take a variety of food.) 上記の偏食とも関係しますが、微量の有害性物質の蓄積によって、相乗的な効果を示す場合も考えられる。

３食べ過ぎない。
(Don't take food too much.) 成人の体重BMI値（体重kg/(身長m)2を18.5～25.0 程度に維持したいもの。腹８分目。肥満は万病の原因と言われている。

４深酒を避ける。
(Don't drink Sake too much.）肝臓を痛めると、薬物に対する解毒機構の働きが　悪くなる。毎日の晩酌は、適当量（１－２合）まで。深酒は食事が不規則となり、栄養のバランスが崩れる。ウイスキーのがぶ飲みは食道がんに結び付く可能性がある。

５喫煙を避ける。
(Don't smoke much.) タバコの煙には多くの変異原性物質が含まれている。肺がんの大きな要因。パイプは舌がんと関係がありそう。唾液に溶けた発がん性物質は、微量ながら消化器に影響を及ぼす。心臓にも悪影響がある。本数よりも喫煙年数の方が重要のように思われる。

６適量のビタミンC, E をとる。
(Take Vitamin C & E.) ビタミンC およびビタミンE に、抗変異原作用がある。緑茶、野菜類、果物を十分に摂取していれば、特に、外部からビタミンを多量に補給する必要はない。

7 塩辛いものを控える。
(Don't take very solty food) 日本人は、外人と比べて十倍近くも塩分をとる習慣があると言われている。ハワイの疫学的調査では日本食を続けている二世に、依然として胃がんが多い。胃粘膜も肌の一部と考え、刺激を加えずに、常にお手入れをするべきである。

８魚や肉類の極度に焦げた部分を避ける。
(Don't take the food. heavily　burned ) 蛋白質、脂肪の高熱処理によって、種々の変異原性あるいは発がん性物質が生成される。味は良いのだが、極力取り除くべきである。

9 カビの生えたものを避ける。　
(Don't take the food with mold.) 穀物やピーナツなどに発生するカビは、強い変異原（アフラトキシン）を生産する。これは肝臓がんと深い関係がある。

10 過度の日光浴を避ける。
(Don't take a sunbath for a long time.) 紫外線には強い変異原性がある。皮膚がんの大きな原因となっている。オーストラリアの白人の子供などは、特に注意しているようだ。

11 過労を避け、よく眠る。
(Don't work too hard and sleep
well.) 睡眠時間、規則正しい食事、精神的なゆとりは、体調を正常に保ち、変異原性物質に対する抵抗力が養われる。

12 常に身体を清潔に保つ。
(Keep your body clean.) 昔、英国の煙突掃除夫に陰嚢がんが多発したという話がある。身体を清潔に保つべき。化学物質のみならず、有毒な微生物から身を守ることも必要である。

変異原性と発がん性との関連（参考文献例）　(Genotoxicity and Carcinogenicity of Chemicals)

１） Radman M., et al., Chromosomal rearrangement and carcinogenessis: Mutation Res., 98, 249 (1982)
2) Ashby J., et al., Evaluation of short-term tests for carcinogens, Progress in Mutaton Res., Vol.5, Elsevier/Amsterdam, pp. 117-174 (1985)
3) 石館　基；　変異原性と発癌性ー発癌性物質のスクリーニングの立場から、日本薬剤師会雑誌、33, 557-568(1981)　
4) McCann,JE., et al., Detection of carcinogens as mutagens in the Salmonella microsome test: Assay of 300 chemicals, Proc. Natl. Acad. Sci., (USA), 72, 5135-5139 (1975)
5) Odashima S., et al., The cooperative development in Japan of methods for screening chemicals for carcinogenicity, in : R. Montesano et al. (Eds), Scdreening Tests in Chemical Carcinogenesis, IARC Sci., Pub., No. 12 pp 61-75 (1976)
6) 石館　基　他；　生活関連化学物質に関する変異原性試験の現状とその評価、衛生試験所報告、解説、98, 1-19 (1980)

1	医薬品、農薬、食品添加物、その他の生活関連物質の安全性に関する定性的ならびに定量的評価	Safety evaluation of chemicals such as drugs, pesticides and other industrial chemicals (new & existing substances).
2	生活環境中の発がん物質を予測する短期スクリーニング	Rapid screening tool for detecting possible carcinogens in the environment.
3	発がん性物質の標的細胞に対する作用機序の究明	Studies on the mechanisms involved in the carcinogenic effects on the target organs.
4	化学物質の構造活性相関の解析	Studies on the relationship between chemical structures and their biological activities.
5	水や大気中の有害性物質の環境モニタリング	Monitoring of the hazardous chemicals contaminated in the air and water.
6	遺伝病あるいは胎児発生異常の原因究明	Studies on the mechanisms involved in genetic diseases and teratogenic effects.

１	バランスのとれた食事をする。 (Take well-balanced food.)	食品中には変異原性を示すものも含まれている一方、変異原性を打ち消す物質（抗変異原）も含まれている。特に、繊維食品や果物などを多く摂取する必要がある。
２	同じ食品を繰り返して食べない。 (Take a variety of food.)	上記の偏食とも関係しますが、微量の有害性物質の蓄積によって、相乗的な効果を示す場合も考えられる。
３	食べ過ぎない。 (Don't take food too much.)	成人の体重BMI値（体重kg/(身長m)2を18.5～25.0 程度に維持したいもの。腹８分目。肥満は万病の原因と言われている。
４	深酒を避ける。 (Don't drink Sake too much.）	肝臓を痛めると、薬物に対する解毒機構の働きが　悪くなる。毎日の晩酌は、適当量（１－２合）まで。深酒は食事が不規則となり、栄養のバランスが崩れる。ウイスキーのがぶ飲みは食道がんに結び付く可能性がある。
５	喫煙を避ける。 (Don't smoke much.)	タバコの煙には多くの変異原性物質が含まれている。肺がんの大きな要因。パイプは舌がんと関係がありそう。唾液に溶けた発がん性物質は、微量ながら消化器に影響を及ぼす。心臓にも悪影響がある。本数よりも喫煙年数の方が重要のように思われる。
６	適量のビタミンC, E をとる。 (Take Vitamin C & E.)	ビタミンC およびビタミンE に、抗変異原作用がある。緑茶、野菜類、果物を十分に摂取していれば、特に、外部からビタミンを多量に補給する必要はない。
7	塩辛いものを控える。 (Don't take very solty food)	日本人は、外人と比べて十倍近くも塩分をとる習慣があると言われている。ハワイの疫学的調査では日本食を続けている二世に、依然として胃がんが多い。胃粘膜も肌の一部と考え、刺激を加えずに、常にお手入れをするべきである。
８	魚や肉類の極度に焦げた部分を避ける。 (Don't take the food. heavily　burned )	蛋白質、脂肪の高熱処理によって、種々の変異原性あるいは発がん性物質が生成される。味は良いのだが、極力取り除くべきである。
9	カビの生えたものを避ける。　 (Don't take the food with mold.)	穀物やピーナツなどに発生するカビは、強い変異原（アフラトキシン）を生産する。これは肝臓がんと深い関係がある。
10	過度の日光浴を避ける。 (Don't take a sunbath for a long time.)	紫外線には強い変異原性がある。皮膚がんの大きな原因となっている。オーストラリアの白人の子供などは、特に注意しているようだ。
11	過労を避け、よく眠る。 (Don't work too hard and sleep well.)	睡眠時間、規則正しい食事、精神的なゆとりは、体調を正常に保ち、変異原性物質に対する抵抗力が養われる。
12	常に身体を清潔に保つ。 (Keep your body clean.)	昔、英国の煙突掃除夫に陰嚢がんが多発したという話がある。身体を清潔に保つべき。化学物質のみならず、有毒な微生物から身を守ることも必要である。