日本環境変異原学会

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放射線のリスクを正しく理解するために役立つ読み物

 ここでは、放射線のリスクを正しく理解するために役立つ書籍を、簡単な書評を添えて紹介します。興味をもたれましたら、ぜひ原著をお読みください。

怖がりすぎないために

  • 人は放射線になぜ弱いか (近藤宗平) 講談社ブルーバックス第3版 
    本学会とも関わりの深い近藤先生の名著で、一般向けに書かれており皆さんにお勧めの本です。少しの放射線は心配無用と副題がついているとおり、科学的なデータから少量の放射線は害がないことを示している。 本HPでも紹介した寺田寅彦の随筆の一節は著者が好んで引用したもので、根本的な教えがここにある。研究者にとっても、リスクというものの考え方を放射線を通じて再認識する上で、必読の書といえる。(TS) 
  • お母さんのための放射線防護知識―チェルノブイリ事故20年間の調査でわかったこと
    (高田純) 医療科学社

    放射線に弱いとされる子供たち。チェルノブイリの事故でも唯一明らかな差が見られたのが若者の甲状腺がんであった。 子供を持つ母親としても、どうしても不安になりがちなところだが、チェルノブイリ事故の科学的検証からどの程度の危険性があり、どのような防護策をとるべきかをわかりやすく解説している。(TS)

    怖がらなさすぎないために

  • 朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (NHK「東海村臨界事故」取材班) 新潮文庫
    1999年におきた東海村での臨界事故。不幸にも致死量を超える放射線を浴びてしまった作業員と、その治療に当たった医療関係者の83日間にわたる壮絶な記録。患者のの染色体写真は、被爆がいかに深刻なものであったかを物語っている。 放射線による全身障害が徐々に体を蝕んでいく様子はあまりにも痛々しく、放射線の恐ろしさを改めて認識させられる。(TS)